2016年に協定を締結した「Present Tree in ひろの」が、3月31日に協定満期を迎えました。東日本大震災で津波の被害をうけた福島県広野町、その海岸線に防災緑地をつくるプロジェクトの一環としてスタートした「Present Tree in ひろの」。防災緑地に樹を植えることはもちろん、震災と原発事故の影響でなかなか人が戻ってこない広野町に、プレゼントツリーによって都市部からの交流人口を生み出し、賑わいを取り戻そうと、これまでに2,043本を植樹し、2016年から計12回バスツアーを組んで首都圏から延べ470人超に参加いただきました。温かいご支援、誠にありがとうございました。
3月26日に、満期を迎えた現地の様子の視察と、現地カウンターパートの皆様からメッセージをいただきましたので、ご報告いたします。
植樹から10年経った防災緑地の様子



こちらが防災緑地の様子です。落葉樹なので丸裸ではありますが、人の背丈をゆうに超す大きさに育った樹々もたくさんありました!

防災緑地を管理してくださっている「広野わいわいプロジェクト」の皆さんと記念撮影。この防災緑地は、近隣の皆さんのお散歩コースでもあるそうです。わいわいプロジェクトの皆さん、とっても朗らかで楽しい方々ばかりで、お会いするといつも元気をもらえます。ありがとうございます!
協定当事者の皆様からメッセージ
その後、広野町役場にて、昨年新たに選挙で選ばれた広野町・小松 和真町長と、福島県富岡土木事務所の籏野 直広所長、わいわいプロジェクトの磯辺 吉彦理事長・根本 賢仁前理事長、そして認定NPO法人環境リレーションズ研究所 理事長・鈴木敦子の、協定当事者である4者が集い、満期を迎えた御礼と今後について意見交換をいたしました。また、里親の皆様に向けたメッセージをお預かりしております。

・広野町 小松町長より

まず、里親の皆様、10年間の取り組み本当にお世話になりました。10年前はまだ関係人口なんていう言葉はなくて、いかに移住してもらうか?二拠点生活をしてもらうか?という視点が主でしたが、なかなか住民票を移すはハードルが高い。その点、関係人口は「知っているか知らないか」で維持される関係です。例えば、たまたま広野町の名前がテレビのニュースで流れてきて、「そういえば防災緑地に樹を植えたよね。週末行ってみようか」と予定を立てる…プレゼントツリーによって、そんなきっかけをたくさん作っていただいたと思っております。
10年という節目を迎えましたが、お力添えいただいた防災緑地を守りながら、感謝の気持ちを忘れずに、今後も町として様々な発信をしていきますので、ぜひまた広野町にいらしてください。これからも粘り強く恩返しをしてまいりたいと思います。引き続きお付き合い願えれば幸いです。
・福島県富岡土木事務所 籏野所長より

私たちは防災緑地の造成を担当いたしました。ここ広野の防災緑地は、他の地域と比べてすぐ近くに住宅があるのが特徴で、散歩してくださる住民の方がいたり、地元の皆さんが管理をしっかりしてくださっているので、とても良い森になってきています。一方で、一部に松枯れの被害が確認されているので、伐採のお手伝いや再植林などでも、また里親の皆様のお力をお借りできればと思います。10年間ありがとうございました。
・広野わいわいプロジェクト 磯辺理事長より

10年間、地道に防災緑地を育ててまいりました。里親の皆様、町民一同、この防災緑地を有意義に使っております。これからさらに森は育っていきますので、この先も長く大切に見守ってまいります。
・広野わいわいプロジェクト 根本前理事長より

私たち広野町民が前を向いて歩いて行くために、たくさんの里親さんからのたくさんのご支援をいただき、本当に感謝でいっぱいです。思い起こせば震災から15年、協定から10年という長い歳月が流れました。私も毎日防災緑地を散歩していますが、本当に立派に育っています。全てに感謝の気持ちです。この気持ちを大切に、これからも生活していきます。末永く、どうぞよろしくお願いいたします。
広野町と双葉エリアの“いま”
里親の皆様にお伝えしたい、広野町と双葉エリアの”いま”をたくさん撮影してきました!生憎の雨でしたが、一歩一歩進んでいる復興への歩みを感じていただけると思います。
・多世代交流スペースぷらっとあっと


オープン6年目のぷらっとあっと、バスツアーで立ち寄ったことのある方もいらっしゃるのでは? この日はわいわいプロジェクトの皆さんと一緒にここでお弁当をいただいたのですが、その間にも子どもたちがふらっと勉強をしに来たりしていて、広野の日常にしっかり根差した場所であることがしっかりと感じられました。
・オーガニックコットン畑


バスツアーでたびたびお手伝いいただいたコットン畑。もうすぐこのマルチをはがして定植するそうです。プロジェクトは順調に進んでいます!
畑では、故 吉田恵美子氏のイラスト看板が、やさしく微笑みかけてくれていました。ふくしまオーガニックコットンプロジェクトの代表として活動されていた吉田さんは、「Present Tree in ひろの」立ち上げ時、「広野サステナブルコミュニティ推進協議会」の一員として、共に汗を流した大切な仲間です。当時、広野町では町民の帰還率がまだ半数に満たない状況の中、コットン畑とPresent Treeの森が連携することで、町にもう一度賑わいを取り戻そうと、共に走り続けました。
・お弁当屋さん「KIYA」



たくさんのおかずの中から好きなものを選んで詰められるお弁当屋さん。がっつり派もヘルシー派も満足できるのが最高ですね! 人気No.1のじゃが煮は、味しみしみでしっとりほっくり…ぜひ食べてみてほしい一品。サイドメニューの揚げパンも懐かしい美味しさでした♡
・海岸線

2021年のバスツアーで黙とうを捧げた場所。コロナ禍で厳戒態勢の中、たくさんの方にご参加いただいたツアーでした。本当にありがとうございました。
・夜の森桜並木(富岡町)


残念ながらまだ開花前ではありましたが、うっすらとピンクに染まっているのが伝わりますでしょうか…! 並木沿いにおしゃれなバームクーヘン屋さんが出来ていましたよ。
・TOMIOKA WINERY(富岡町)



2016年からワインづくりを始め、2025年5月にグランドオープンしたワイナリー。ショップではワインの販売のほか、試飲やグッズ販売もありました。ワイン好きの鈴木は大興奮♪ レストランも併設されているので、次はぜひお食事もいただいてみたいです。店内は木を使ったおしゃれな空間で、常磐線がすぐそこを通るロケーション。話もワインも弾みそう。
・みかんサイダー


広野町特産のみかんを使ったみかんサイダー、ロゴが一新されてスタイリッシュになりました! 役場のそばにあるミカン畑の看板も変更されていました。広野町のおみやげにピッタリのみかんサイダー、ぜひ一度ご賞味ください♪
・広野駅

駅舎が新しくなっていました! 交流スペースはこの4月から、改札は26年度中に利用できるようになるそうです。東京駅から特急ひたちで直通3時間弱で着きました。
理事長 鈴木より里親の皆様へ
「Present Tree in ひろの」は、本年3月31日をもって、10年間の協定満期を迎えました。
3.11の津波災害に遭った福島県広野町の沿岸部に防災緑地を整備する中で、「その一画に地域在来の広葉樹を植え、“賑わいの森”をつくろう」そんな想いを持つ地元NPO「わいわいプロジェクト」からの要請を受け、10年前にこの取り組みはスタートしました。
おかげさまで、計画本数2,000本すべての苗木に里親の皆様をお迎えすることができ、この森づくりを通じて、広野町に新たな人の流れとつながりが生まれました。プレゼントツリー史上、最も小さな森ではありましたが、そこには本当に多くの方々の想いが重なり、10年という歳月が刻まれてきました。
だからこそ、「この先、このネットワークをどう活かしていくのか。」今、改めて問われていると感じています。この森を通じて生まれたご縁とつながりを、これから先どのように未来へとつないでいくのか。皆様とご一緒に考えながら、次の一歩を踏み出していければ嬉しく思います。
今後の取り組みや新たなご提案などがございましたら、ぜひお気軽にお寄せください。
https://presenttree.jp/contact/
本プロジェクトを、10年間支えてくださった全ての皆様へ。心より感謝申し上げます。
2026年4月吉日
認定NPO法人環境リレーションズ研究所
理事長 鈴木敦子
