年間318万560トン。2014 年の新聞用紙の国内消費量だ。膨大な紙資源を消費する業界のトップ企業として、果たすべき社会貢献は何か。
その答えが古新聞回収と環境保護を結びつけた植樹事業「読売の森」だ。13、14 年度で計1100 本の苗木を植え、今年度はさらに1000本の植樹を行い、森林再生に取り組む。
筆記具大手のゼブラ(東京都新宿区、石川真一社長)は、製品カタログに使う用紙代の1%相当の金額を植林に充てる取り組みを行っている。森林資源から作られる紙に記す道具として発展してきた筆記具メーカーだけに森林保護への思いが強く、目に見える具体的な環境活動を強化する一環で始めた。
ゼブラは年初に、販売店向けに自社製品のカタログを10万部発行している。総合カタログはA4版で約250ページに上る。2年に1回発行に変更した昨年まで、毎年1回発行してきた。
カタログ発行は用紙代として1000万円程度かかるが、その1%相当を植林用の資金に充てる。植林はゼブラが行うのではなく、NPO法人環境リレーションズ研究所(東京都千代田区、鈴木敦子理事長)が「プレゼントツリー」用に全国各地で展開する形をとっている。
プレゼントツリーは、個人が寄付により参加し、誕生日など記念日に家族や友人に記念樹を贈るもの。森づくりが必要とされる土地に植えた苗木に識別番号を振り、贈られた人は識別番号と場所が記入されたカードを受け取り、「里親」のように離れた所から1本の木の生長を見守る。植林や育成管理はNPO法人や地域住民が担う。
ゼブラは、誰もが簡単にできる環境活動である点に賛同し、法人として2010年からプレゼントツリーに参加。ゼブラの場合、植栽地の支援が目的で記念樹を贈ることはしないが、全国5ヶ所、計107本の苗木の生長を見守る。
最初は、国の特別天然記念物トキの野生復帰を支援するために実施された新潟県佐渡市の植林活動に参加。2013年には東日本大震災に襲われた岩手県宮古市で行われた森林再生を目的とした植林活動に参加した。この他、山梨県笛吹市や岐阜県高山市の取り組みにも加わっている。
なお、環境リレーションズ研究所の活動に参加し、東日本大震災の被災地を植林を通じて支援する取り組み(1% for REVIVE JAPAN)は、新生紙パルプ商事でも行われている。