第3回「プレゼントツリー in くまもと山都」植樹ツアーを開催しました!(2023.04.08-04.09)

こんにちは。プレゼントツリー事務局です。

2023年4月8日(土)~9日(日)に今年3年目となる「プレゼントツリー in くまもと山都」植樹ツアーを45名の参加者の方々とともに開催しました。前日までの荒れ模様だった天候が一転、快晴で当日を迎えることができました。まさに植樹日和!です。

当日は10時過ぎに熊本空港に到着、現地から参加の皆さんも加わり一路山都町へ。現地ガイドは昨年に続き、ECO九州ツーリストの寺崎 彰さんと株式会社MAROの下田 円(まろみ)さんです。よろしくお願いします!

(左)株式会社MAROの下田さん(右)ECO九州ツーリストの寺崎さん

1日目の午前中は、道の駅「あそ望の郷くぎの」に立ち寄った後、「原木しいたけ狩り」を体験しました。

圧巻の原木シイタケ群

地元農家の方に「肉厚で軸の太いものがいいですよ~」と教えてもらい、皆さん目を凝らして探していました☺ ずっしりとした肉厚のシイタケの軸の根元をゆっくり回しながら原木から外し、大切にビニールに詰めて持ち帰りました(この後のお昼で、焼いていただきます!)。

シイタケ狩りをした後は、道の駅 「清和文楽邑(せいわぶんらくむら)」に移動し、ランチタイムです。

道の駅 「清和文楽邑(せいわぶんらくむら)
建物は周りの風景も馴染んでいてとても素敵です。実際に文楽も観ることができます。
参加者の方から「次回はぜひ文楽も観劇したい!」というリクエストもいただきました。
おいしそうなお昼にくぎ付け!

昼食は山菜や地元の旬のものを使った郷土料理のお弁当です。おいしくいただきました。ちなみにこの建物は「清和郷土料理館」と呼ばれている建物で、雨天でも薪文楽が室内でディナーショーが楽しめるようにつくられたそうです。建物内部を見渡すと、杉丸太が使われていることがわかりますね(写真)!

そして昼食後は、建物の外で先ほど採ったシイタケを網焼きにします(至れり尽くせりの心づくしに感動です)。

採れたてをみんなで味わう、贅沢な時間となりました。手前の方のシイタケの軸の太さにびっくり!
シイタケからじゅわ~とうまみ成分がでています

原木シイタケは町中で買うシイタケとは見た目だけでなく、うまみ、歯ごたえ、香りすべて違います。まるでステーキのようなボリュームです。それもそのはず、原木シイタケ栽培は、菌を植えてから収穫までには1年半から2年間時間が必要となります。じっくり時間をかけることで大きく、太く、うまみが凝縮されたシイタケに育ちます。そんな貴重な原木シイタケを収穫し、食す機会をいただけたことに感謝しかありません。

シイタケを採っていただいた後は、しいたけ栽培用の原木「ホダ木」に菌を植える(駒打ち)体験です。教えてくださるのはお茶農家の下田博臣さんです。

お茶農家の下田博臣さん

ホダ木にドリルで穴をあけ、種駒(直径1cm、長さ2cm程の円筒形をしたシイタケ菌を培養した木片)を金づちで打ち込みます。この打ち込み作業体験です。ちなみに今回使用した原木はコナラです。みんな一生懸命です☺。

種駒を打ったところからシイタケが生える、と思いきや実はそうではありません💦1~2年ほどかけてシイタケ菌が原木のなかで繁殖し、違った場所からシイタケが生えてくるとのこと。自然の神秘を垣間見た気分です。

次は2021年の植栽地見学です。植栽地の現場までは十数分徒歩で移動します。道端の珍しい植物も観察しながら、山の起伏を徐々に足元に感じながら、植栽地に到着です。案内いただいたのは昨年から引き続きお世話になっている、林学博士の東京農業大学特別研究員の西野文貴さんです。

2021年の時も参加し、今回も参加している方が数名いらっしゃいました。2年しか経っていないものの確実に木として生長しているようすを実際に見ることができて、喜びもひとしおとのことでした☺。

西野さんからは、日本の森が危機的状況であること、そして私たちにできることとして今後も多様な在来種を植え育てていくことで豊かな森づくりにつながることなどを教えていただきました。過去の植栽地の現場を見ながら森について考えることができたことは、初めて参加された方にとっても貴重な機会だったようです。

夜は、山都町のお隣の宮崎県五ケ瀬町の「ごかせ温泉 森の宿 木地屋」さんに宿泊しました。今回は予定していた宿が開催直前で廃業し、急遽こちらにお世話になりました。参加者の方にご心配をおかけしていましたが、「(合宿所のようなスペースもあるお宿で、参加者の方と仲良くなり)返って新鮮で楽しかった」、「温泉もとてもよかった」と仰っていただきました。木地屋さんには急なお願いにも関わらず、心よく大人数を受け入れをいただき、大変お世話になりました。

夜の食事はバスで10分程度のところにある「五ヶ瀬ワイナリー」です。ちょうど夕暮れ時で最高の夕焼けを見ることができました。

この美しい風景を見ながら、食事タイムです。

食事の後半で、毎年お世話になっている山都町で30年以上有機農家を続けてきた下田美鈴さんからご挨拶の言葉をいただきました。

そしてもう一つの見どころは、星空観賞です。高い標高、澄み切った空気の中では降ってくるのではないかと思うくらいの星空を望むことができました。さらにアマチュア天文学者の鹿本さんのご厚意で、望遠鏡とモニターを見ながら解説をいただきました。肉眼だけでは見えない先の宇宙を想像しながら空を見上げることができました。

明日はいよいよ植樹です。

2日目も晴天に恵まれました。いざ2023植樹会場へ!40分近く歩きます(実際は20~30分程度でした)。

開会式では、弊所理事長の鈴木からの挨拶に続き、SDGs未来都市の山都町町長梅田 穰さま、「Present Tree in くまもと山都」の森林所有者の藤川秀一さま、プレゼントツリーinくまもと山都の森づくりで、10年間の保育管理を実施いただいている、緑川森林組合の荒木健太郎さまにご挨拶をいただきました。

林学博士の西野文貴さんには事前に植生調査と31種類の広葉樹を選別いただきました。その植樹方法の実演を森林組合の皆さんと教えていただきました。

植えられるのを待つ苗木たち

さあ、いよいよ植樹です。

今回はスコップではなく、クワを使います。クワを使って穴をあけ、そこに苗を植えて、周りを踏み固めます。リピーターの方からはクワの方が使いやすいと評判でした。今回の植樹には頼もしい助っ人、地元の学生さんも加わり、今年もしっかり植えることができたと思います。

なかなかの急峻な傾斜地ですが、皆さん頑張ってます。

そして、11時半に作業時間終了です。あっという間に1時間半でしたが、皆さんのおかげで目標の350本を植えることができました!鹿などの食害になるべくあわず、すくすく育ちますように!(祈)

植樹後は通潤橋へ向かいます。自由時間に「通潤橋の放水」見学しました。

通潤橋は四方を河川に囲まれた白糸台地に農業用水を送るため建設された石造りアーチ水路橋です。江戸時代の後期、惣庄屋 布田保之助は、水不足によって苦しい生活を強いられていた農民たちを救うため、「通潤用水」と呼ばれる水路の建設を成功させました。橋の上に立ち、長きにわたり多くの人びとを潤すことで支えてきた重要な水路だということを実感しました。

通潤橋から見る棚田
通潤橋の放水

圧巻の放水を間近で見ることができました。コロナも明けつつあり、多くの観光客が訪れていました。

そして、「酒造寛政蔵」へ移動です。

12代目蔵元の山下泰雄さんが出迎えてくださいました。「寛政蔵」は江戸時代中期に創建され、熊本県内最古の歴史を持つ酒造です。西郷隆盛が軍議を開いたといわれる歴史ある場所でもあります。2016年の熊本地震で「寛政蔵」も大きな被害を受け、2019年にリノベーションが終了し、春に「おもてなしの蔵」として新たなスタートをされています。

ここでの参加者のお楽しみは地元の皆さんとの交流時間です。お昼をいただきながら、地元の皆さんからのプレゼンタイムです。

ARBOL 藤川里奈さん:Uターン組の藤川さん。山都町の果物や野菜たちを生かしてアイスサンドにして、販売されています。大人気サンドなため、発売するとすぐに売り切れてしまうそうで、購入できたらラッキーです。

・無農薬・無化学肥料農家、食品販売会社経営の株式会社 円(まろ)の下田円美(まろみ)さん:下田美鈴さんお嬢さんです。山都町で30年以上有機農家を続けてきた下田美鈴さんのもとでの育ったその半生と今の活動につながるお話をしていただきました。「山都町の食料自給率は300%以上」のお話が印象的でした。

山都でしか 鳥越靖基さん:Uターンや移住組のメンバーと農の視点から、「山都でしか」できないまちの可能性広げていくための活動をされています。今では有機農業に特化した「有機の学校」を立ち上げています。これまで500名以上の山都町視察や農業体験のコーディネートもされているそうです。

その後、お酒のテイスティング、地元の特産品を持ち寄った販売会でいろんなお話を聞くことができました。

寛政蔵のスタッフの皆さん
12代目蔵元 山下泰雄さん
ARBOL 藤川里奈さん
ラムレーズンのアイスサンド。素材を生かし、丁寧に作られています。皆さんのほっぺが落ちていました☺。
株式会社 円(まろ)の下田円美(まろみ)さん
山都でしか 鳥越靖基さん

酒蔵見学

以上で2日間の行程は終了です。

楽しい時間はあっという間です。後ろ髪をひかれつつ、ツアーが終わります。山都町の皆さんの温かいおもてなしのおかげで、充実した2日間を過ごすことができました。ありがとうございます。

そして、ツアーご参加の皆さま、山都町の皆さま大変お疲れさまでした。そしていつも温かいご支援とご協力をいただきましてありがとうございます。

最後に、参加者の皆さんからいただいたアンケートの抜粋をご紹介します。

◎林業者や地元の方や消費者等をつなぐpresent treeさん、有機農業全国一で自給率300パーセントの山都町さん、応援します。

◎現地来ないと感じられない空気感やお話が沢山あり充実した二日間となりました。
山都の皆様の心のこもったおもてなしに胸が熱くなるほどでした。present treeのスタッフも親切で気持ちよくツアーに参加することができました。
来年も楽しみにしておりますので宜しくお願いします!

◎素晴らしい循環を生み出そうとしている皆様に、明るい希望を見せていただいた気がします。ただ、理想だけでは決して実現できないサイクルを生むためには、まず知ること、訪れることが大切だと気づかされました。自分にもできることがきっとあるのだと感じられたことが、大きな収穫でした。今後も、可能なカタチでご一緒できたらと思います。ありがとうございました。

◎とても素敵な町でした。多くの人を魅了するのが少しわかったように感じます。今回の植樹がどんな農業とつながるのか、今度はそこを感じられるような訪問を考えたいです。

山都町の自然や人のすばらしさを十二分に味わえた2日間となりました。また、山都町の皆さんに「おかえり!」と言ってもらえるようプレゼントツリーとしても山都町を今後もしっかりサポートさせていただきます。今後ともプレゼントツリーをよろしくお願いいたします!

Present Tree 事務局

〒101-0052 東京都千代田区神田小川町2-3-12 神田小川町ビル8階
Tel 03-5283-8143 / Fax 03-3296-8656

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