ジェットスター・ジャパン株式会社は、12月15日より国内LCCによる初の定期運航便、東京(成田)⇔旭川路線の開設を記念して、10月10日に「Present Tree in 北海道」にてキックオフ植樹イベントを開催しました。協定林内に「ジェッ太の森」看板を設営、東京からニック・マッグリン取締役会長をはじめ15名の社員さまが集結しました。
ジェットスターさまは「Present Trees」の活動に賛同することで日本各地の森林再生に貢献し、お客さまや地域と共に持続可能な社会の実現を目指す「StarTrees」寄付プログラムを3月からスタートさせました。今回、ジェットスターを利用するお客さまおよびジェットスター社員さまからの寄付金により、北海道大学雨龍研究林内にある「Present Tree in 北海道」にアカエゾマツの苗木を約200本植えました。
極寒の地に、アカエゾマツを植える
旭川の市街地から1時間半ほど車を走らせると、集合場所の北海道大学雨龍研究林庁舎に到着します。そこから北海道大学北方生物圏フィールド科学センターのバスに乗り込み、植栽地へ向かいます。
まずはジェットスター・ジャパンのニック・マッグリン取締役会長よりご挨拶がありました。「今日は植樹イベントが開催できるということで、大変嬉しく思っています。こうした植樹活動は、北海道ひいては日本の環境保全にとって大切なことだと考えております。社員のみんなにもボランティアで集まってもらいました。今日は1日よろしくお願いします」
続いて弊理事長の鈴木からも、挨拶させていただきました。「このたびは、東京(成田)ー旭川就航記念の森づくりに『Present Tree in 北海道』を選んでいただき、誠にありがとうございました。今日植えていただいてから10年間、皆さんには樹の里親になっていただきます。ぜひ末永いお付き合いをよろしくお願いいたします」
続いて、北海道大学の吉田俊也教授よりご挨拶。「遠いところをお越しいただき、本当にありがとうございます。ここは北海道の中でも雪が2m以上積もり、気温も-30℃を記録するとても寒い場所です。周りを見ていただくと、木の下にササがたくさん生えているのがわかると思うのですが、そういう場所ではなかなか樹が育ちません。『Present Tree in 北海道』では、プレゼントツリーの皆さんと一緒に、一度ササに覆われてしまった場所を森に戻していく取り組みを行っています。この場所も、秋に重機で掻き起してササを除いた状態です。今日はここにアカエゾマツという樹を植えていただきます。どうぞよろしくお願いいたします」
いざ、植樹!
「今日、みなさんが植えるアカエゾマツの苗木です。小さなクリスマスツリーみたいで可愛いですよね! この苗木、何歳だと思いますか?」…なんと、林内に自生しているアカエゾマツの種を収集、発芽させ生長してから6年経った苗木だそうです!これだけの大きさになるのに6年!!林内に自生している大きなアカエゾマツは一体何歳なんだろう?と、気が遠くなりますね…。
北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの職員さんから、植え方の説明です。アカエゾマツの苗木は2m間隔で植えていきます。この2mの間隔を空けることで、自然に飛んできた種子が根付き生長するスペースとなり、アカエゾマツと一緒に育てることで針葉樹と広葉樹の混交林づくりを目指しているそうです。クワで土を耕し、土が柔らかくなったらクワで作った空間に苗木をおき、根っこの生え際くらいまで土をかぶせます。ポイントはしっかりと土を踏み固めること。極寒の地である北海道では根っこの回りの土をしっかりと踏み固めることで、土と根を密着させ、根が凍らないようにするのです。
職員さんの指示に従って3班に分かれ、レクチャーを受けながらアカエゾマツを植えていきます。最初はクワの使い方に戸惑っていた皆さんですが、どんどん慣れて手つきもスムーズに! 和気あいあいとした楽しい雰囲気に、見ているこちらもなんだか楽しくなってきます。
あっと言う間に、約200本の植樹を完了!
ジェッ太くんもお手伝いありがとうございました。ジェッ太くんは、レッサーパンダをモチーフにしたジェットスター・ジャパンのマスコットキャラクター(公式サイトはこちら)。SNSでも登場していますので、ぜひチェックしてみてくださいね♪
植樹が終わったところで「ジェッ太の森」看板の設営セレモニーです。マッグリン取締役会長と弊理事長の鈴木が握手。これから10年、里親として「ジェッ太の森」をどうぞ見守って!
参加者全員で看板の前で記念撮影。
雨龍研究林内にある、17年前に植えたエリアと原生林エリアも視察しました
庁舎に戻り昼食を済ませたあと、吉田先生に雨龍研究林内をご案内いただきました。バスに乗り、まず向かったのはプレゼントツリーで2006年に植えた植栽地。17年経って、アカエゾマツは5mほどに大きく育っていました! ジェットスターの皆さまも、「さっき植えたアカエゾマツが17年でこんなに大きくなるんだ」と、感激もひとしおの様子。
アカエゾマツの回りには、広葉樹も育っています。これらは人が植樹したものではなく、自然に落下した種子が芽吹き、育ったものだそうです。植樹のときに吉田先生から伺った「アカエゾマツを2m間隔で植えるのには、飛んできた種子が『針葉樹と広葉樹の混交林をつくる』という目的もあるのです」というお話が、まさに実現されていました。
続いてご案内いただいたのは、日本の森林のうち1~2%程度しかないという原生林(全く人の手が入らず、これからも入れないほうが良い森)。ここには、「なぜアカエゾマツを人の手で植える必要があるのか」という理由がありました。
森の中には針葉樹の芽があちこちに顔を出しています。でもこれは大体がトドマツ。アカエゾマツの芽はというと…
倒れた木の幹に、こんなにびっしり生えています! どうやらアカエゾマツは、土に落ちた種は菌にやられてしまうようで、土ではなく倒木の上に落ちた種のほうが育つのだそうです。それを聞いてから大人のアカエゾマツを見ると、数本が直線状に並んでおり、倒木に沿って育ったのだろうと想像できます。また、根の部分も丸くえぐれています。育った倒木が腐ってなくなり、その空間が丸いえぐれにつながったと想像できます。自然と時間の成せる神秘ですね…!
人の手が入った森では、倒れる前に樹を伐り出してしまうため、アカエゾマツが芽吹く環境が整わない。だからこそ、人の手が入った里山や人工林では、アカエゾマツを人の手で植えていく必要があるのです。 この神秘的な情景に、ジェットスターの皆さまもカメラを構えていらっしゃいました。ちなみに、自然の中で写真の状態まで育つのには約30年を要するのだそうです。「だからこそ、先ほど皆さんに6年育ったアカエゾマツの苗を植えていただいたことは、非常に意味のあることなんです」
最後に見たのが、原生林の中でも一番大きなアカエゾマツ。写真だとなかなか伝わりづらいかもしれませんが、人ひとりでは抱えきれない大きさです。樹齢については推定でしかありませんが、200年以上は生きていると考えられるそうです。
天に向かって太く真っすぐ伸びるアカエゾマツは神々しく荘厳で、ちっぽけな人間は圧倒されっぱなし。一同ただただ息を呑み、上を見上げるばかりでした…。
また北海道で会いましょう!
視察を終えて庁舎に戻り、ジェットスターの皆様とはここでお別れです。午前中の植樹から午後の視察まで、大変お疲れ様でした。12月に東京(成田)ー旭川便が就航したら、またぜひここ「Present Tree in 北海道」と「ジェッ太の森」でご一緒しましょう! どうぞ帰り道の道中もお気をつけて!
また、この場をお借りして、イベントの準備・開催にご尽力くださった吉田先生をはじめ北海道大学北方生物圏フィールド科学センター職員の皆様に厚く御礼申し上げます。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。