プレゼントツリーが主催する毎年恒例・秋の植樹ツアー☆ 今年は「Present Tree in みやぎ大崎」を舞台に、11月4日・5日に開催いたしました。植樹体験はもちろん、宮城県大崎市の“美味しい・楽しい・美しい”をこれでもかと詰め込んだ1泊2日のツアー、まずは世界農業遺産を巡る1日目のレポートをお届けします!
宮城県大崎市にて、初となる宿泊ツアー。初日は「世界農業遺産」巡り
2014年にスタートした「Present Tree in みやぎ大崎」。植樹ツアーも今年で8回目となりますが、なんと今回は初の1泊2日での開催です! 朝7時、東京駅に集合し、新幹線「はやぶさ」に乗って古川駅へ。
古川駅に到着すると、「大崎市世界農業遺産未来戦略室」の職員である太田さんと三宅さん、そして「NPO法人蕪栗ぬまっこくらぶ」の高橋さんが出迎えてくれました。初日の今日は、大崎市の誇る「世界農業遺産」を巡ります。参加者はスタッフ含めて50名ほど、マイクロバス2台に乗り込んで、まずは大崎市の誇る道の駅「あ・ら・伊達な道の駅」を目指します。
1号車には、今回のスペシャルゲスト・同志社大学教授の大和田順子さんが乗車されました! 大和田教授が教鞭を取った立教大学セカンドステージの受講生も、多く参加されていました。大和田教授は「大崎耕土」の世界農業遺産認定に尽力された方で、車内ではこの世界農業遺産「大崎耕土」について、またSDGsとのかかわりなど、直接詳しくお話を伺う大変貴重な機会となりました。
2号車には、生まれも育ちも大崎市という「NPO法人蕪栗ぬまっこくらぶ」の高橋さんがガイドとして乗車。車窓からは刈り取ったばかりの水田の並ぶ景色が続いていましたが、今年は秋になってもなかなか寒くならないせいで、刈り取った後から「二番穂(穭(ひつじ)とも呼ばれ、俳句の季語でもあります)」と呼ばれる新芽が出てきているのだそうです。確かに…田んぼには緑が。
あ・ら・伊達な道の駅
「あ・ら・伊達な道の駅」に到着。3連休の中日だけあって、駐車場も店内もごった返していました。ここでトイレ休憩を済ませてから、世界農業遺産である「大堰頭首工(おおぜきとうしゅこう)」へ。
大堰頭首工
ふだん一般開放はしていない大堰頭首工ですが、今回は特別に入らせていただきました! ここからは、大崎市の世界農業遺産推進協議会事務局の職員さんがガイドをしてくれました。伊達政宗の時代に、江合川(えあいがわ)をせき止めてその水を城の内堀に引き、防御水・かんがい用水として使用したのが「大堰頭首工」の始まりだそうです。大崎市が世界農業遺産として選ばれた大きな理由が、古くから続くこの「水システム」。平野に広がる水田に水をどのように供給するか、先人たちの知恵と工夫に触れることができました。
特別に、堰の上に登らせていただきました! 上流側は穏やかな江合川。下流側は、せき止められているからか一部から水が勢いよく流れ出していて、音も表情も全く違います。この堰の上というのがけっこう高くて、スマホで写真を撮るのに手が汗ばんでしまいました…。
内川、岩出山散策
またバスに乗って、大堰頭首工から川沿いに下っていきます。続いて到着したのは「有備館の森公園」。伊達政宗が大堰頭首工から引いて岩出山城の外堀とした「内川」を見学したり、かつて伊達家の学問所であった「旧有備館」、「森民酒造」といった近隣施設を散策しました。「森民酒造」では日本酒の試飲ができて、美味しいお酒に皆さんご満悦♪米どころでもありお水も美味しい大崎市は、日本酒の名産地なのです。
明治時代に建てられた豪農のお家で、農家さん手づくりのお弁当に舌鼓
旧千葉家住宅
さあ、すっかりお腹も空いてきました。次に向かったのは、「凛菜・上の家」(旧千葉家住宅)。明治21年に建てられた豪農の住宅で、立派な茅葺き屋根が目を引きます。そして家の北側には「居久根(いぐね)」と呼ばれる屋敷林があります。
この居久根は、山から吹き下ろす冷たい風「やませ」を防ぐために植えられ、多様な動物や植物の生息地としても機能しています。冷害で作物が思うように収穫できない年は、この居久根から木の実やたけのこ・フキといった恵みを受け、生活していたのだそうです。
「凛菜・上の家」の中は、天井が高くて広々とした立派な造り。以前はレストランとして営業していたそうですが、現在は大崎市の許可を得ないと入場できません。今回は特別に、この「凛菜・上の家」にてお昼ごはんです!
お昼ごはんは、地元農家の「よっちゃん農場」のお二人が真心こめて作る「農家手づくりぬくもり弁当」。お弁当箱に掛けられているのは、手書きの文字とイラストに彩られた本日の献立です。どんな中身なのか、ドキドキしながら蓋を開けると…わぁ~、秋!
地元大崎の食材や旬のものをふんだんに使ったお弁当は、本当にどれを食べても美味しかった~! 今朝初めて会ったツアー客の皆さんとも、「この秋刀魚が美味しかった」「あのきのこが美味しかった」と、話に花が咲きました。こうやってちょっとずつ親睦が深まっていくのも、“食”のチカラですね。
お腹がいっぱいになってからは、ガイドさんから「世界農業遺産」についての説明を受けたあと、裏庭の居久根から竹を取ってきて竹炭づくりを体験しました。火が温かくて気持ちよかった~!
圧巻だった「マガンのねぐら入り」
ここからはまたバスで移動して、ラムサール条約湿地にも登録されている蕪栗沼(かぶくりぬま)へ向かいます。渡り鳥であるマガンが、ねぐらである蕪栗沼へ戻ってくる様子を見に行くのですが、向かう車窓からもVの字に編隊を組んだマガンの群れに次々と出会いました。曇りの日は暗くなるのが早いため、マガンたちも早めにねぐら入りするのだそうです。待って~、マガン!
蕪栗沼に到着すると、マガンの鳴き声が四方八方から聞こえてきました。沼沿いの土手を歩いていくと、右からも左からも前からも後ろからも次々にマガンが飛んできます。遠くのほうに見えた点々が徐々に大きくなり、美しい隊列のまま頭上を飛び去り、沼の上空できりもみしながら着水する様子は、何度見ても新鮮な驚きと感動でいっぱいになりました。参加者の皆さんも、感動の面持ちでカメラを向けたり、双眼鏡をのぞいたり…。この感動は写真じゃ伝わらないので、ぜひ実物を見てほしいです! マガンだけでなく、白鳥も来ていましたよ。
日が落ちて暗くなる直前までマガンを眺めたら、本日最後のスポットである直売所「さくらっこ」、加護坊温泉「さくらの湯」、そして夕食を提供いただく「ロマン館」へ(この3つの施設は隣接しています)。直売所では、大崎市の誇るブランド米「ふゆみずたんぼ米(こちらのリンクから動画をご覧いただけます)」や今が旬のきのこに野菜、地元の藍染作家・山下さんの藍染めグッズなどが購入できました。関東では手に入らないものばかりなので、ついつい財布のひもが緩んでしまいます♪
温泉にゆっくり浸かったあとは、お楽しみの夕食。この日は地元産の「宮城野ポーク」のしゃぶしゃぶ、ふゆみずたんぼ米(しかも新米!)のおにぎり、そして大崎市産の日本酒も登場しました! 市長の熱いお話とともに日本酒で乾杯☆ 今回のイベントにご尽力くださった大崎市の寺田部長・高橋課長からのご挨拶、夕食の準備にご尽力くださった「たじり穂波公社」浅野社長より食事の説明をいただきながら、おなか一杯いただきましょう!
食事とお酒に舌鼓を打ちながら、この日のためにお集まりいただいた地元の方々からご挨拶をいただきました。今日1日ガイドでお付き合いいただいた「NPO法人蕪栗ぬまっこくらぶ」高橋さんからは、蕪栗沼やマガンについて、愛のこもったお話。伸萠(しんぽう)ふゆみずたんぼ生産組合・西澤さんからは、冬の間田んぼに水を張ることで渡り鳥と共生し、かつ鳥の糞によって無農薬のお米作りができるというお話。いただいたふゆみずたんぼ米の新米のおにぎり、とっても美味しかったです! 先ほどさくらっこでも藍染グッズを販売されていた「里山ガーデン工房ハッピーボタニカル」山下さんは、ご自身で藍を種から育て、収穫して藍染を行っていらっしゃいます。「大崎の空が大好き!」という言葉が、とっても印象的でした。
ふだん旅行で知らない土地を訪れても、こんなに地元のことを知る機会も、地元の人の話を聞く機会もないのではないでしょうか。大崎市の魅力、そして大崎市に生きる人々の魅力を、ここに居合わせた誰もが感じたに違いありません。大和田教授に中締めのご挨拶をいただき、美味しくて楽しい1日目が終了しました。
事務局からは、毎回恒例のご寄付のお願いをさせていただきました。皆さん快くご寄付くださり、感謝感謝でございます…! いただいたご寄付は、大切にこれからの活動資金に充ててまいります。
メインの植樹は2日目のレポートに続く…
プレゼントツリーの植樹ツアーは、地域の“美味しい・楽しい・美しい”を存分に楽しんでもらって、地域のファンになってもらいたい!という想いから、植樹以外にも地域の魅力を盛り沢山で企画しています。1日目だけでも、すっかり大崎市のファンになってしまった♡という方も多いはず。が、しかし本番は2日目の植樹ですよ~。続きのブログで2日目の様子もレポートしますので、どうぞお楽しみに!
動画はこちらから。